「『青の時代』は、三島由紀夫の5作目の長編小説。光クラブ事件を題材とした作品である。地方の名家に生れ厳格な父親に反感を抱きながら、合理主義に偏執して成長した秀才青年が、大金詐欺被害に遭ったことをきっかけに、自ら高金利の闇金融会社を設立する物語。順調に行くかと見えたカラクリが崩壊し、挫折していく孤独な青春の虚無の破滅譚が、シニカルかつレトリカルで切れ味のいいアフォリズムに溢れた文体で描かれている。\r『青の時代』の題材は、執筆前年の1949年(昭和24年)11月25日に起った「光クラブ事件」から取られており、主人公・川崎誠のモデルは、闇金融「光クラブ」の社長・山崎晃嗣である[8]。戦後の世相を騒がせた「光クラブ事件」は、高金利金融会社「光クラブ」を経営していた東大法学部3年の山崎晃嗣が、物価統制令、銀行法違反に問われ、多額の債務を残したまま、27歳で青酸カリを飲んで自殺したというものである。\r\r「アプレ青年」と呼ばれた山崎が起こしたこの事件は、戦後の価値の混乱を象徴するものであった。辞世の句を含む遺書の中には、「貸借法すべて清算借り自殺」(賃借法すべて青酸カリ自殺)という、人を食ったような言葉を残していたが、『青の時代』では主人公が自殺するまでは描かれずに、暗示に留めたまま終わらせている。\r\r1950年(昭和25年)、文芸雑誌『新潮』7月号から12月号に連載された。単行本は同年12月25日に新潮社より刊行された。文庫版は1971年(昭和46年)7月23日に新潮文庫で刊行された。翻訳版はスペイン(西訳:Los años verdes)、中国(中題:藍色時代)で行われている。『ウィキペディア(Wikipedia)』\r\r新潮社・昭和25年12月初版発行の三島由紀夫「青の時代」です。装幀は猪熊弦一郎です。発行当時の紙質と経年によるヤケとシミがありますが、書き込みや蔵書印などはありません。74年前の古書であることをご理解の上、購入の検討をお願いいたします。